レビュー

ムアツを使い続けて9年目|買う前に知っておきたいデメリット4選

我が家に3枚もある「ムアツふとん」。

買った後悔はないものの、買う前に知っておいた方が良いと思うガッカリポイントがあります。

私は8年も使ってるぐらいですから、モヤモヤする程度ですが、人によっては買って後悔するような致命的なポイントかもしれません。

「ムアツふとん」を愛用している私としては、買ってから後悔されるのはとても残念なので、是非、事前にご承知おきください。

先ずは私の寝具歴についてですが、学生の頃は、下に収納スペースのあるベッドや、折りたたみ式のすのこベッドで、社会人になりたての頃は、フローリング直の敷布団で寝てきました。

その後、第一子の誕生をきっかけに「ムアツふとん」生活を始めていますので、ベッドも布団も10年以上経験しています。

こうした経験から、ベッド生活から「ムアツふとん」生活に変わった時にがっかりしたポイントを4つに絞って説明します。

せっかくの高級寝具。

買った後で後悔しないように、最後までご覧いただけたら嬉しいです。

①寝室に生活感が漂う。特に折りタイプ“のべ”。

「ムアツふとん」の特徴の一つに、“省スペース”というものがあります。

「ムアツふとん」は、厚みとコシのある高反発ウレタン製なので、三つ折りにした後で縦に立てることができ、立てた状態で収納することになります。

立てられれば、小さ目なウォークインでも収納可能なのですが、我が家では、寝室に立てて保管しています。

理由は二つ。

  • なるべく風通しを良くしたいから。
  • 3枚も「ムアツふとん」を収納できるスペースがないから。

まず、一つ目の理由【なるべく風通しを良くしたい】について。

“外干しの必要がない”と言われる「ムアツふとん」ですが、要するに、「ムアツふとん」の素材であるウレタンの性質上、紫外線と熱に弱い、ということ。

ウレタンの業界団体である日本ウレタン工業協会も、次の様に言っています。

(略)ウレタンフォームの表面が変色していると判断できるまでの時間は、夏の直射日光下で数時間(略)というように、太陽光線の影響によって著しく違ってきます。なお蛍光灯によっても変色は起こります。

とくに直射日光が当たるような場所に置いたり、カバー材を使わずに(略)使用する場合、長い間には表面からボロボロしてくることがあります。(略)

日本ウレタン工業協会 Q&A

要するに、長時間、直射日光にさらすと、ウレタンが変色したりボロボロ崩れてくるとのこと。

素材の性質上、日干しがダメだとしても、布団は寝ている間に湿気をたっぷり吸いこむので、朝起きたら湿気を放出しないとダニ・カビが繁殖する。

と言うことで「ムアツふとん」は、独特な凸凹の形状にしたり、無膜ウレタンを使用したりと、通気性を向上させて室内干しでも衛生的に使えるようになっています。

理屈は分かります。分かりますが、

何となく、感覚的に、
風通しを良くしたい。

風通しが良すぎて悪いことはないので、それで長く衛生的に使えるのであれば・・・ということで、我が家では、クローゼットにしまい込まないで、寝室に立てて保管しています。

次に、理由の二つ目【3枚も「ムアツふとん」を収納できるスペースがない】について。

集合住宅で専有面積も広くないので、我が家には大きな収納スペースがありません。

寝室にクローゼットはありますが、他に広い収納スペースがないので、大物はクローゼットに収納していますので、とても「ムアツふとん」3枚も収納する余裕がない。。。

と言うことで、朝起きて折りたたんだ後は、縦に立てて、寝室に置いています。
結果、寝室はこんな感じ。

これでも、寝る前に読んでいる本とかを片付けて、綺麗にした状態。
何とも言えない生活感があります。

これはこれで、良いと言えば良いのですが、室内の火災警報器の点検で業者の方とか、お客さんとか、あまり親しくない友達が遊びにきたりとか、そういったときに、チョット恥ずかしい。

“のべ”だとこんな感じですが、三つ折りタイプだと、折り畳んだ姿がキューブ状なので、もっと整った感じになります。。

ヨスミ

キューブ状であれば、ブロックのように積み重ねられますが、“のべ”だと、丸みがあって、重ねられません。。。

実際、三つ折りタイプのマットレスを使われてるミニマリストの方々のお部屋は、とってもすっきりオシャレ。

ムアツではありませんが、こちらのお部屋の場合、左上の茶色いモノが、三つ折りタイプのマットレスです。

https://twitter.com/minimal_y_0911/status/1587240180423225344?s=46&t=1Q_Vu0cZXFySKeWF-ZoDKQ

とはいえ、我が家の場合は、ライフスタイル的に”のべ”の方が良かった点があります。

それは、子供がいること。

集合住宅なので防音マットを敷いていますが、子供のバタバタ具合によっては、「ムアツふとん」の上で遊ばせていますし、子供達も、勝手に「ムアツふとん」を室内トランポリンの様にして遊んでいます。

三つ折りタイプのマットレスの場合、折れ目が側地だけで繋がっていますので、遠慮なく全力で子供に遊ばれると、耐久性が心配になります。

その点、“のべ”には、マットレスの切れ目がありませんので、折れ目の側地破損の心配がありません。

見た目は残念な感じですが、結果として、“のべ”を購入してよかったと思います。

②日干しできない&中身は洗えない

「ムアツふとん」は、日に干しちゃダメ。水洗いもダメ。

普通の綿布団であれば必須の日干しですが、「ムアツふとん」は不要。と言うよりもNG。

「ムアツふとん」の中身の素材は、ウレタン。

どんなモノでも経年劣化は避けられませんが、ウレタンの場合、光・熱・酸素・水分・微生物により劣化が進みます日本接着学会誌40 巻 (2004) 6 号)。

つまり、ウレタンが生成されたその日から劣化が始まり、日干しをすると劣化を促進させてしまうことになります。

ヨスミ

ウレタンの業界団体である日本ウレタン工業協会も「長期間、直射日光に当てると表面からボロボロしてくることがある」とのこと

このため、「ムアツふとん」を開発した昭和西川も、日干しを控え、室内での陰干しを推奨

どうしても外で日干しをしたい場合は、直射日光を避けてカバーで覆い、1時間以内にするように。とのことですから、よっぽど、お日様は「ムアツふとん」の大敵ということですね。

また、子供がオネショをしても、ペットがおしっこをしても、飲み物をこぼしても、台所のスポンジと同じようなモノに見えても、家庭での水洗いはNGです。

理由は、単純に乾きにくいから。それも、ものすごく乾きにくい。

何故、乾きにくいのか。その理由は、「ムアツふとん」の素材の構造をイメージすると分かります。

「ムアツふとん」の素材はウレタンですが、もう少し正確に表現すると、軟質ポリウレタンフォームと言います。

ヨスミ

軟質ポリウレタンフォームの身近なモノといえば、台所用のスポンジ。
硬く絞って干していても翌朝にまだ乾いていないこと。ありませんか?

軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、

軟質ポリウレタンフォームはポリオールとポリイソシアネートを主成分として、発泡剤、整泡剤、触媒などを撹拌混合して発泡した軟質発泡材料で、・・・(略)・・・10~60倍程度に発泡した連続気泡のセル構造を有した石油化学製品であります。

引用:日本ウレタン工業協会

とのこと。

要するに、イメージで言うと、こんな感じ。

完成した軟質ポリウレタンフォームには、いくつもの空洞があって、この空洞には、クッションの役目があります。おかげで、マットレスに使えるようなフカフカな感触になります。

ところが、軟質ポリウレタンフォームに水をかけるとどうなのか。
答えは、空洞が水で満たされる。。。です。

つまり、軟質ポリウレタンフォームは、たくさんの水を蓄えてしまうのです。

イメージは、台所用のスポンジ。
台所用のスポンジって、たっぷりと水を含ませることができて、水を吸わせると意外と重くなります。

ちょっと力を入れればスポンジが潰れて、空洞内の水が押し出されて、スポンジから水がジャーっと流れますが、台所用のスポンジってなかなか乾かないですよね?

軟質ポリウレタンフォームもこれと同じ。
「ムアツふとん」が、いくら風通しが良いといっても、それは湿気の話。“水”通しではありません。

ましてや「ムアツふとん」は、一番小さいものでも高さ8cm×幅91cm×長さ200cm=145,600㎥もの体積がある巨大なスポンジ。家庭で丸洗いしてしまうと、一昼夜では、とても乾きません。

生乾きのまま数日置いてしまうと、カビやダニの繁殖原因となってしまうので、家庭での水洗いは控えましょう。

子供のオネショなどの、“水”対策には、防水シーツがお勧めです。

ヨスミの奥様

子供たちは寝相が悪いので、親の布団にも防水シーツが必須です。

因みに、「ムアツふとん」の側地は、丸洗い可

ヨスミ

”側地”とは、中身のウレタンを包んでいるシーツ状ののもの。

衛生的に使いたい場合は、定期的に側地を洗濯すればよいのですが、この側地。いったん外すと、取り付けるのが結構大変です。

「ムアツふとん」の中身のウレタンの生地がザラザラしていて、側地に引っ掛かります。

ウレタンが分厚いのと、ウレタンにコシもあるので、なかなか側地に入りません。洗濯をされる際には、余裕のある時にしたほうが良いと思います。

③子供たちがはしゃぐとホコリが気になる

「ムアツふとん」に限らず、ベッドでも、他の敷布団でも、ホコリが気になるときがあります。
それは、子供たちがベッドや布団の上で遊びまわったとき。

子供たちは、トランポリンの様に飛び跳ねられるエアドームや、ふわふわが大好き。
公園でも大人気な遊具です。

子供たちが大好きなエアドームやふわふわ遊具

同じノリで、ベッドで飛び跳ねますので、ホコリが舞います。

布団も同様。
飛び跳ねることこそできませんが、走ったり、転がったり。
子供たちがはしゃげば、ホコリが舞います。

舞ったホコリは、ゆっくりと、非常にゆっくりと上から下に落ちていきますので、床に近い位置で寝る布団の場合、舞っているホコリの中で寝ることになります。

ホコリは、低い位置に堆積する性質があります。実際に研究した結果もあります。

例えば、大学医歯学総合研究科先進血管病・塞栓症治療・予防講座特任教授 榛沢和彦氏の研究によれば、床から30cmのチリやホコリの濃度を測定したところ、床の半分だったようです。

ただし、チリやホコリの濃度は、測定する環境にもよるようで、信州大学教育学部 入江建久氏、大村道雄氏の研究によれば、床から高さ100cmでハウスダストとなる繊維量が半減していたそうです。

チリやホコリなどのハウスダストの研究は色々とありますが、ざっくりまとめると、

  • 床から高い位置にあるベッドはホコリが気にならない。
  • けど、床から低い位置にある布団は、気になるかも。

ということ。

我が家の場合、子供たちが暴れた後は、窓を全開にしてしばらく換気をしていたり、空気清浄をつけたりしています。

因みに、敷布団が綿布団の場合、擦れたりして綿繊維がちぎれることがあります。“綿切れ”と言うのですが、ちぎれた綿繊維は、粉状。ホコリの一因です。

対して、「ムアツふとん」はウレタン製。“綿切れ”は発生せず、ホコリが立ちにくい。とされています。

でも、シーツは敷いていますし、掛布団もある。子供達はパジャマも着ています。

なので、ホコリが立ちにくい「ムアツふとん」を使っていても、子供がじゃれあってしまっては無意味。ホコリは立ちますので、気になる方は、換気をすることがあったり、空気清浄機を付けることがある、と言うことを知っておいた方が良いと思います。

ヨスミの奥様

普段は、おとなしく寝てくれるのでホコリの悩みはありませんよ!

④座る場所がない&気軽に横になれない

ベッド生活から布団の生活に変わって、最初に思ったことが二つ。

  • 腰掛けて、読書したりゲームしたりする場所がなくなった。
  • しゃがんでから横になる布団よりも、座ってから横になるベッドの方が、ラクだった。
ヨスミ

起き上がるのも、ベッドの方がラクなのでは?っと思うかもですが、私の体感では大差ないです。
たぶん、起き上がる時は、寝ボケてるから??

ベッド生活の頃は、ベッドをソファーのように使ったり、床に座った時の背もたれ代わりにしていましたが、布団生活となると、こういったことができません。

あと、意外に思ったのが、寝る時のこと。
座ってから横になるのと、しゃがんでから横になるのとでは、気楽さも負担感も、全然違います。

話が飛びますが、思い返せば、病院もベッド。
あれっておそらく、ベッドやマットレスを定期的にキチンと掃除できれば衛生的ですし、患者はラクだし、看護者もラクだし、ってことで布団ではなく、ベッドなのだと思います。

とは言え、ワンルームの家庭でもない限り、読書とかゲームはリビングですればいいし、横になるのも、苦になるってレベルではないです。よくよく考えれば・・・って程度。

それよりも、布団生活のメリットが大きいです。
例えば、掃除のしやすさとか、子供の落下の心配とか、部屋が広くなったとか。
ベッドにはない良いところが、布団にはあります。

まとめ

「ムアツふとん」を使う前は、敷布団と掛け布団セットで1万円を切るような安い寝具で寝ていた私が、奥さんに薦められるがままに購入した「ムアツふとん」。

4万円近くもする高級寝具ですから、当時は「高っか!!」と思ったものの、よく考えたら、

  • 毎日使う道具。しかも、1日24時間のうち6~7時間も過ごす場所
  • 定期的なメンテナンスが不要で、ランニングコスト0円
  • 奥さんも、奥さんの両親も使っていて、モノは良さそう

と言うことで、購入を決意。

気づけば8年以上も使っていて、安い布団を買い替えるよりも、結果として安くすんでいます。

とは言え、思えば残念なポイントがいくつもありますので、4万円以上もする高級布団を購入する前には、知っておかれるとよいと思います。

以上、皆様のご参考になれば幸いです。